資格なしでも建設業許可は取れる?実務経験10年など取得方法を行政書士が解説
建設業許可を検討している方から、 「国家資格を持っていないと建設業許可は取れないのか」 「資格はないけれど、長年この仕事をしている」 といったご相談があります。
一般建設業では、許可を受けたい業種について一定期間の実務経験があれば、 営業所技術者等の要件を満たせる可能性があります。
代表的なのが「10年以上の実務経験」です。 また、指定学科を卒業している場合や、 一定の技術検定に合格している場合には、 必要な実務経験期間が短くなることもあります。
この記事では、資格を持っていない方が どのような方法で建設業許可の技術者要件を満たせるのか、 実務経験の証明方法とあわせて解説します。
目次
- 1 資格なしでも建設業許可は取得できる
- 2 資格がない場合は「10年以上の実務経験」が代表的
- 3 実務経験とは何をしていた期間?
- 4 10年間の実務経験はどうやって証明する?
- 5 昔の勤務先での経験も使える?
- 6 個人事業主・一人親方の経験も使える?
- 7 指定学科を卒業していれば実務経験を短縮できる
- 8 第一次検定合格で実務経験が短くなる場合もある
- 9 資格を取った方が早い場合もある
- 10 資格があっても建設業許可が取れるとは限らない
- 11 500万円の要件も別に確認が必要
- 12 どの業種の実務経験が必要?
- 13 札幌で実務経験を使って建設業許可を申請する場合
- 14 資格なしの建設業許可でよくある質問
- 15 まとめ|資格がなくても実務経験で取得できる可能性がある
- 16 資格がなくても建設業許可を取れるか確認します
資格なしでも建設業許可は取得できる
建設業許可を取得するためには、 許可を受けて建設業を営もうとする営業所ごとに、 一定の資格または経験を有する 「営業所技術者等」を置く必要があります。
一般建設業の場合、 営業所技術者等になる方法は国家資格だけではありません。
代表的には、次のような方法があります。
| 方法 | 主な要件 |
|---|---|
| 国家資格等 | 許可業種に対応する施工管理技士、建築士、技能士など、 法令で定められた資格等を有する |
| 指定学科+実務経験 | 許可業種に対応する指定学科を卒業し、 卒業区分に応じて原則3年または5年以上の実務経験を有する |
| 10年以上の実務経験 | 許可を受けようとする建設業に係る建設工事について、 10年以上の実務経験を有する |
| 第一次検定合格+実務経験 | 一定の施工管理技術検定の第一次検定合格後、 対象となる業種について原則3年または5年以上の実務経験を有する |
これまで行ってきた工事の種類と経験年数を確認することが重要です。
資格がない場合は「10年以上の実務経験」が代表的
一般建設業では、 許可を受けようとする建設業に係る建設工事について 10年以上の実務経験があれば、 国家資格を持っていなくても 営業所技術者等の要件を満たせる場合があります。
例えば、管工事業の許可を取得したい場合には、 原則として管工事に該当する建設工事についての 実務経験を確認することになります。
単に「建設会社で10年間働いていた」 というだけではなく、 許可を取得したい業種に対応する工事を経験していたか が重要です。
実務経験とは何をしていた期間?
建設業許可における実務経験とは、 許可を受けようとする建設工事について、 技術上の経験を有していた期間をいいます。
実際の施工に従事した経験だけでなく、 一定の条件のもとで施工を指揮・監督した経験などが 該当する場合もあります。
一方で、建設会社に在籍していても、 単なる事務、経理、営業など、 建設工事の施工に関する技術上の経験とはいえない業務だけを 行っていた期間は、原則として実務経験には含まれません。
「どの会社に何年いたか」だけではなく、 「その期間にどのような工事を行っていたか」を確認します。
10年間の実務経験はどうやって証明する?
資格なしで建設業許可を申請する場合、 大きなポイントになるのが 実務経験を客観的な資料で証明できるかです。
「自分は10年以上この仕事をしている」と申告するだけではなく、 申請先が求める資料によって経験を裏付ける必要があります。
具体的な証明資料は、 経験した会社が建設業許可を持っていたか、 自分が個人事業主として工事を行っていたかなどによって異なります。
例えば、状況に応じて次のような資料を確認します。
- 過去の建設業許可関係書類
- 工事請負契約書
- 注文書・請書
- 請求書
- 工事代金の入金を確認できる資料
- 確定申告書
- 在籍期間や常勤性を確認する資料
- その他、工事内容と期間を確認できる資料
昔の勤務先での経験も使える?
現在の会社だけで10年間の経験がなくても、 過去の勤務先などでの実務経験を使用できる場合があります。
例えば、 以前勤務していた建設会社で5年間、 その後独立して個人事業主として5年間、 対象となる工事を行っていた場合など、 それぞれの経験が要件に該当し、 資料によって証明できれば、 期間を通算できる可能性があります。
ただし、過去の勤務先が廃業している場合や、 古い工事資料が残っていない場合には、 証明が難しくなることがあります。
個人事業主・一人親方の経験も使える?
個人事業主や一人親方として 対象となる建設工事を行っていた経験も、 実務経験として認められる可能性があります。
この場合も、 確定申告をしていたという事実だけではなく、 許可を取得したい業種に対応する工事を 実際に行っていたことを確認する必要があります。
一人親方の建設業許可について詳しくは、 一人親方でも建設業許可は取れる?札幌の行政書士が取得要件を解説 をご覧ください。
指定学科を卒業していれば実務経験を短縮できる
許可を受けようとする建設業に対応する 「指定学科」を卒業している場合には、 10年間の実務経験がなくても 営業所技術者等の要件を満たせることがあります。
代表的な基準は次のとおりです。
| 学歴等 | 必要となる実務経験の目安 |
|---|---|
| 大学・高等専門学校等の指定学科 | 卒業後3年以上 |
| 高等学校等の指定学科 | 卒業後5年以上 |
| 一定の専門学校の指定学科 | 卒業区分等により3年以上または5年以上 |
ただし、どの学科でもよいわけではありません。
例えば、取得したい許可業種によって 土木工学、建築学、電気工学、機械工学など、 対応する指定学科が定められています。
卒業学科と取得したい建設業種の組み合わせを確認します。
第一次検定合格で実務経験が短くなる場合もある
制度改正により、 一定の施工管理技術検定の第一次検定合格者についても、 指定学科卒業者と同等として扱われる仕組みがあります。
対象となる場合には、 おおむね次のような考え方になります。
| 技術検定 | 必要となる実務経験 |
|---|---|
| 1級第一次検定合格 | 合格後3年以上の実務経験 |
| 2級第一次検定合格 | 合格後5年以上の実務経験 |
技術検定の種目と取得したい許可業種の対応関係があり、 指定建設業や電気通信工事業など、適用対象外となる場合があります。 実際の申請では資格・検定種目と許可業種を個別に確認します。
資格を取った方が早い場合もある
実務経験による申請が可能であっても、 必ずしも10年分の資料を集める方法が 最も簡単とは限りません。
許可業種によっては、 対象となる国家資格を取得することで 営業所技術者等の要件を満たせる場合があります。
特に、過去の請求書や契約書が残っていないなど、 長期間の実務経験を証明することが難しい場合には、 今後の資格取得も含めて検討する価値があります。
資格があっても建設業許可が取れるとは限らない
反対に、 対象となる国家資格を持っているからといって、 それだけで建設業許可を取得できるわけではありません。
営業所技術者等は、 建設業許可の要件の一つにすぎません。
建設業許可では、ほかにも主に次の事項を確認します。
- 建設業の経営に関する一定の経験・体制
- 財産的基礎・金銭的信用
- 適切な社会保険等への加入
- 営業所の実態
- 欠格要件に該当しないこと
建設業許可の要件全体については、 札幌の建設業許可の要件 で詳しく解説しています。
500万円の要件も別に確認が必要
資格や実務経験によって 営業所技術者等の要件を満たしていても、 一般建設業では財産的基礎・金銭的信用についても 別途確認が必要です。
いわゆる「500万円要件」です。
500万円を行政へ支払うという意味ではなく、 自己資本500万円以上や 500万円以上の資金調達能力などによって確認します。
詳しくは、 建設業許可の500万円とは?自己資本・残高証明・赤字の場合を行政書士が解説 をご覧ください。
どの業種の実務経験が必要?
建設業許可は29業種に分かれているため、 「建設工事なら何でも10年間経験していればよい」 というわけではありません。
例えば、管工事業の許可を実務経験で取得したい場合には、 原則として管工事に該当する工事についての 経験を確認することになります。
そのため、 実際に行ってきた工事が 29業種のどの業種に該当するのかを 最初に整理することが重要です。
札幌で実務経験を使って建設業許可を申請する場合
札幌市に主たる営業所があり、 北海道内だけに建設業を営む営業所を設ける場合には、 基本的に北海道知事許可を検討します。
資格を使わず実務経験によって申請する場合は、 まず次の事項を整理するとスムーズです。
- 取得したい建設業の業種
- これまで行ってきた具体的な工事内容
- 工事を行っていた期間
- 当時の勤務先・事業形態
- 過去の建設業許可の有無
- 契約書・注文書・請求書等が残っているか
- 卒業した学校・学科
- 現在保有している資格・検定
10年経っていることが分かってから大量の資料を集めるのではなく、 どの期間をどの資料で証明するかを整理してから申請準備を進めます。
資格なしの建設業許可でよくある質問
Q. 国家資格が一つもなくても建設業許可を取れますか?
Q. 建設会社に10年勤めていれば大丈夫ですか?
Q. 複数の会社での経験を合算できますか?
Q. 個人事業主としての経験も使えますか?
Q. 10年前の請求書が残っていません。
まとめ|資格がなくても実務経験で取得できる可能性がある
一般建設業では、 国家資格がなくても 10年以上の実務経験などによって 営業所技術者等の要件を満たせる場合があります。
また、指定学科を卒業している場合や、 一定の施工管理技術検定に合格している場合には、 必要な実務経験期間が短縮されることもあります。
ただし、 実務経験による申請では 経験年数だけではなく、 対象業種の工事を行っていたことを資料で証明できるか が重要です。
資格がないからと最初から諦めるのではなく、 これまでの工事経験、学歴、保有資格等を整理して 申請可能性を確認するとよいでしょう。
資格がなくても建設業許可を取れるか確認します
「資格はないが10年以上工事をしている」 「昔の勤務先での経験を使いたい」 「請求書などの資料がどこまで必要か分からない」など、 これまでの工事経験や資料を確認して申請可能性を整理します。
札幌市で建設業許可をご検討中の方は、 行政書士トリキ法務事務所へご相談ください。


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