建設業許可の業種追加とは?必要な要件・費用・申請方法を行政書士が解説
すでに建設業許可を取得している事業者が、 現在許可を受けていない別の建設工事を請け負いたい場合、 「業種追加」が必要になることがあります。
例えば、管工事業の許可を持っている会社が、 新たに電気工事業の許可を取得したい場合などです。
すでに建設業許可を持っていても、 別の業種について許可が必要となる規模の工事を請け負う場合には、 その業種について新たに許可を受ける必要があります。
この記事では、札幌で建設業許可を取得している事業者の方を中心に、 業種追加が必要になるケース、必要な要件、 営業所技術者等の資格・実務経験、費用や必要書類などを解説します。
目次
- 1 建設業許可の「業種追加」とは?
- 2 業種追加が必要になる具体例
- 3 500万円未満の工事でも業種追加は必要?
- 4 建設業許可は全部で29業種
- 5 業種追加でも許可要件を確認する
- 6 業種追加で特に重要なのが「営業所技術者等」
- 7 資格があれば業種追加できる?
- 8 資格がなくても業種追加できる?
- 9 1人で複数業種の営業所技術者等になれる?
- 10 業種追加でも500万円の財産要件を確認する?
- 11 業種追加の申請手数料はいくら?
- 12 2業種追加すると手数料は10万円?
- 13 一般建設業と特定建設業で区分が違う場合は注意
- 14 業種追加で必要になる主な書類
- 15 業種追加の前に変更届・決算変更届も確認
- 16 更新と業種追加を同時に申請できる?
- 17 札幌で建設業許可の業種追加をする場合
- 18 業種追加を検討するときのチェックリスト
- 19 建設業許可の業種追加でよくある質問
- 20 まとめ|業種追加は営業所技術者等の確認が重要
- 21 札幌で建設業許可の業種追加をご検討中の方へ
建設業許可の「業種追加」とは?
建設業許可は、建設業法で定められた業種ごとに取得します。
そのため、すでに何らかの建設業許可を取得している場合でも、 現在許可を受けていない業種について許可が必要となる工事を請け負うには、 原則としてその業種の許可を追加する必要があります。
この手続きが一般に「業種追加」と呼ばれています。
どの業種の許可を取得しているかを確認することが重要です。
業種追加が必要になる具体例
例えば、現在「管工事業」の一般建設業許可を持っている事業者がいるとします。
管工事業の許可を持っているからといって、 当然に電気工事業や消防施設工事業など、 他の業種についても許可を受けていることにはなりません。
新たに別業種について許可が必要となる規模の工事を請け負うのであれば、 その業種について許可を取得する必要があります。
契約内容や実際の施工内容を確認し、 29業種のどの建設工事に該当するのかを整理する必要があります。
500万円未満の工事でも業種追加は必要?
必ずしも必要ではありません。
建築一式工事以外では、 原則として1件の請負代金が500万円未満(税込)の 「軽微な建設工事」のみを請け負う場合、 建設業許可を受けなくても施工できる場合があります。
したがって、現在許可を持っていない業種であっても、 軽微な建設工事の範囲内であれば、 建設業許可の業種追加が必要とならない場合があります。
500万円の判断基準については、 建設業許可が必要な500万円以上の工事とは?判断基準・税込金額・材料費を行政書士が解説 をご覧ください。
建設業許可は全部で29業種
建設業許可は、一式工事2業種と専門工事27業種の 合計29業種に区分されています。
| 区分 | 主な業種 |
|---|---|
| 一式工事 | 土木工事業、建築工事業 |
| 専門工事 | 大工工事業、左官工事業、とび・土工工事業、石工事業、 屋根工事業、電気工事業、管工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、 鋼構造物工事業、鉄筋工事業、舗装工事業、しゅんせつ工事業、 板金工事業、ガラス工事業、塗装工事業、防水工事業、 内装仕上工事業、機械器具設置工事業、熱絶縁工事業、 電気通信工事業、造園工事業、さく井工事業、建具工事業、 水道施設工事業、消防施設工事業、清掃施設工事業、解体工事業 |
業種追加でも許可要件を確認する
業種追加は、単に申請書へ新しい業種を書き加える手続きではありません。
追加したい業種について、 建設業許可の要件を満たしていることを確認する必要があります。
主に確認する項目としては、次のようなものがあります。
- 適切な経営体制を有しているか
- 追加業種に対応する営業所技術者等がいるか
- 財産的基礎・金銭的信用の要件を満たしているか
- 適切な社会保険等への加入状況となっているか
- 欠格要件に該当していないか
- 営業所の要件を満たしているか
建設業許可全体の要件については、 建設業許可の要件 をご確認ください。
業種追加で特に重要なのが「営業所技術者等」
業種追加を検討するときに、 特に重要になるのが営業所技術者等です。
営業所技術者等は、 許可を受ける業種ごとに一定の資格・実務経験等を 有している必要があります。
したがって、現在の営業所技術者等が、 新たに追加したい業種についても要件を満たしているのであれば、 同じ方が複数業種を担当できる場合があります。
一方、追加したい業種について要件を満たしていない場合には、 その業種に対応できる別の営業所技術者等を確保する必要があります。
営業所技術者等の要件については、 建設業許可の営業所技術者等とは?資格・実務経験の要件を行政書士が解説 で詳しく解説しています。
資格があれば業種追加できる?
追加したい業種に対応する国家資格等を保有している場合、 営業所技術者等の要件を資格によって満たせる可能性があります。
ただし、一つの資格ですべての建設業種を追加できるわけではありません。
資格ごとに対応できる建設業種が定められているため、 保有資格と追加したい業種との対応関係を確認する必要があります。
資格がなくても業種追加できる?
追加したい業種に対応する国家資格を持っていなくても、 一定の学歴と実務経験や、 実務経験等によって営業所技術者等の要件を満たせる場合があります。
ただし、実務経験で申請する場合には、 実際にその業種に該当する工事を行っていたことを 資料によって証明する必要があります。
資格がない場合については、 資格なしでも建設業許可は取れる?実務経験10年など取得方法を行政書士が解説 をご覧ください。
実務経験の具体的な証明については、 建設業許可の実務経験10年の証明方法 でも詳しく解説しています。
1人で複数業種の営業所技術者等になれる?
要件を満たしていれば、 同一営業所において1人の方が複数業種の 営業所技術者等となれる場合があります。
例えば、保有資格によって複数の建設業種について 要件を満たしている場合などです。
そのため業種追加を検討するときには、 現在の営業所技術者等が持っている資格や実務経験を 改めて確認してみることが重要です。
業種追加でも500万円の財産要件を確認する?
一般建設業の業種追加でも、 財産的基礎・金銭的信用について確認が必要になります。
一般建設業では、自己資本500万円以上、 500万円以上の資金調達能力、 一定の継続営業実績などの基準があります。
ただし、すでに許可を受けて継続して営業している期間などによって、 財産要件の確認方法は変わります。
建設業許可の500万円要件については、 建設業許可の500万円とは?自己資本・残高証明・赤字の場合を行政書士が解説 をご覧ください。
業種追加の申請手数料はいくら?
北海道知事許可について業種追加を申請する場合、 法定の申請手数料が必要です。
| 申請区分 | 北海道知事許可の手数料 |
|---|---|
| 新規 | 90,000円 |
| 更新 | 50,000円 |
| 業種追加 | 50,000円 |
当事務所の報酬については、 建設業許可申請の費用 をご確認ください。
2業種追加すると手数料は10万円?
同じ申請区分で複数業種を同時に追加する場合、 単純に「1業種につき5万円」という計算になるわけではありません。
例えば、同じ一般建設業の区分で複数業種をまとめて追加する場合には、 業種数だけで法定手数料が倍になる仕組みではありません。
一般建設業と特定建設業で区分が違う場合は注意
業種追加では、 一般建設業と特定建設業の区分にも注意が必要です。
現在一般建設業の許可を受けているからといって、 特定建設業についても同じ要件で追加できるわけではありません。
特定建設業では、 営業所技術者等や財産的基礎などについて、 一般建設業より厳しい要件が定められています。
業種追加で必要になる主な書類
実際に必要となる書類は申請者の状況や追加業種によって異なりますが、 主に次のような書類を確認します。
- 建設業許可申請書類
- 営業所技術者等に関する書類
- 資格証明書等
- 実務経験を証明する書類
- 財産要件を確認する書類
- 現在の建設業許可に関する書類
- その他申請内容に応じて必要となる資料
特に実務経験によって業種追加を行う場合には、 過去の工事資料の確認に時間がかかることがあります。
建設業許可の必要書類については、 建設業許可の必要書類とは?法人・個人事業主別に行政書士が解説 をご覧ください。
業種追加の前に変更届・決算変更届も確認
業種追加を行う際には、 現在の建設業許可に関する届出が適切に行われているかも 確認しておくことが重要です。
例えば、過去に役員変更や営業所変更があったにもかかわらず、 変更届を提出していない場合などです。
また、毎年提出する決算変更届についても、 未提出年度がないか確認しておきます。
変更届については、 建設業許可の変更届とは?役員・住所・営業所変更の期限と必要書類を行政書士が解説 をご覧ください。
決算変更届については、 建設業許可の決算変更届とは?毎年必要な提出期限・必要書類を行政書士が解説 で解説しています。
更新と業種追加を同時に申請できる?
建設業許可の更新時期と業種追加の時期が重なる場合には、 申請のタイミングを調整できるケースがあります。
ただし、現在の許可の有効期限や追加する業種、 一般・特定の区分などによって確認事項が異なります。
更新期限が近い場合には、 業種追加だけを先に進めるのではなく、 更新申請との関係を確認してから進めることをおすすめします。
建設業許可の更新については、 建設業許可の更新とは?5年ごとの期限・必要書類・注意点を行政書士が解説 をご覧ください。
札幌で建設業許可の業種追加をする場合
札幌市に主たる営業所を置き、 北海道内だけに建設業を営む営業所を設けている 北海道知事許可業者の場合、 基本的に石狩振興局が管轄となります。
業種追加では、 まず「何の工事を今後請け負いたいのか」を確認し、 その工事に必要な許可業種を整理します。
そのうえで、 現在の営業所技術者等が追加業種にも対応できるのか、 別の技術者が必要なのか、 資格と実務経験のどちらで要件を満たすのかを確認していきます。
業種追加を検討するときのチェックリスト
業種追加を検討している場合には、 まず次の内容を整理すると申請方針を判断しやすくなります。
- 現在取得している建設業許可の業種
- 新しく請け負いたい工事の具体的な内容
- 追加したい建設業許可の業種
- 一般建設業・特定建設業のどちらか
- 営業所技術者等の保有資格
- 追加業種についての実務経験
- 実務経験を証明できる工事資料の有無
- 現在の許可の有効期限
- 決算変更届や変更届の提出状況
建設業許可の業種追加でよくある質問
Q. 建設業許可を持っていれば、他の業種の工事もできますか?
Q. 業種追加は1業種につき5万円ですか?
Q. 資格がなくても業種追加できますか?
Q. 現在の営業所技術者等が複数業種を担当できますか?
Q. 更新と一緒に業種追加できますか?
まとめ|業種追加は営業所技術者等の確認が重要
建設業許可をすでに持っている場合でも、 許可を受けていない別業種について 許可が必要となる工事を請け負う場合には、 業種追加が必要になります。
業種追加では、 特に追加する業種について 営業所技術者等の要件を満たせるかが重要です。
国家資格によって要件を満たせる場合もあれば、 実務経験を証明して申請する場合もあります。
今後取り扱いたい工事が決まっている場合には、 まず工事内容から必要な許可業種を整理し、 現在の資格・実務経験で追加できるか確認することをおすすめします。
札幌で建設業許可の業種追加をご検討中の方へ
「新しい工事を受注するために何業種を追加すればよいか」 「今持っている資格で追加できるか」 「実務経験で業種追加できるか」など、 現在の許可内容や資格・経験を確認したうえで申請方法を整理します。
札幌市で建設業許可の業種追加をご検討中の方は、 行政書士トリキ法務事務所へご相談ください。

