札幌で建設業許可を取得する流れ|申請から許可までを行政書士が解説

札幌で建設業許可を検討している方から、 「何から始めればいいのか分からない」 「申請までにどの書類を準備すればいいのか」 「許可が出るまでどのような流れになるのか」 といったご相談があります。

建設業許可は、最初に申請書を書くのではなく、 「許可が必要か」「どの業種を取得するか」「各要件を満たせるか」を確認してから、 証明資料の収集と申請書作成へ進むことが重要です。

札幌市に主たる営業所があり、 北海道内のみに建設業を営む営業所を設ける場合は、 基本的に北海道知事許可を検討します。

この記事では、 札幌で建設業許可を取得するまでの流れを、 許可要件の確認から申請、審査、許可後の手続きまで順番に解説します。

札幌で建設業許可を取得するまでの流れ

建設業許可の新規申請は、 概ね次の流れで進めます。

ステップ 主な内容
1 建設業許可が必要か確認する
2 取得する建設業種を決める
3 常勤役員等の要件を確認する
4 営業所技術者等の要件を確認する
5 財産的基礎・500万円要件を確認する
6 営業所・社会保険等の要件を確認する
7 必要な証明資料を収集する
8 建設業許可申請書を作成する
9 石狩振興局へ申請する
10 行政庁による審査を受ける
11 許可取得後の手続きを行う

STEP1|建設業許可が必要か確認する

最初に確認するのは、 そもそも建設業許可が必要な工事を請け負う予定があるかという点です。

建設工事の完成を請け負うことを営業する場合は、 原則として建設業許可が必要ですが、 軽微な建設工事のみを請け負う場合には許可を受けずに営業できます。

建築一式工事以外の場合、 1件の請負代金が500万円未満の工事が 軽微な建設工事の基準です。

「500万円以下」ではなく「500万円未満」です。
500万円ちょうどの専門工事を請け負う場合は、 対応する業種の建設業許可が必要です。

500万円基準について詳しくは、 建設業許可が必要な500万円以上の工事とは?判断基準・税込金額・材料費を行政書士が解説 をご覧ください。

STEP2|取得する建設業種を決める

建設業許可は、 すべての建設工事を一つの許可で行える制度ではありません。

建設業は29業種に分かれており、 実際に請け負う工事内容に対応した業種の許可を取得する必要があります。

例えば、 管工事を主に請け負う場合には管工事業、 内装仕上工事を請け負う場合には内装仕上工事業など、 工事内容に応じて必要な業種を判断します。

建設業許可申請では、 最初に「何業の許可を取るのか」を正確に決めることが重要です。
取得する業種によって営業所技術者等に必要な資格・実務経験も変わります。

STEP3|常勤役員等の要件を確認する

建設業許可では、 建設業の経営を適正に行うための経営体制が求められます。

法人の場合は常勤役員のうち1人、 個人の場合は本人または支配人のうち1人について、 一定の経験等を満たす必要があります。

代表的なルートの一つが、 建設業に関して5年以上、 経営業務の管理責任者としての経験を有する場合です。

法人役員としての経験だけではなく、 個人事業主として建設業を営んでいた経験を 使用できる場合もあります。

常勤役員等については、 建設業許可の常勤役員等とは?必要な経験・要件と証明方法を行政書士が解説 をご覧ください。

経営経験5年の証明について詳しくは、 建設業許可の経営経験5年とは?役員・個人事業主の経験と証明方法を行政書士が解説 で解説しています。

STEP4|営業所技術者等の要件を確認する

建設業許可では、 建設業を営む営業所ごとに 営業所技術者等を配置する必要があります。

一般建設業では、 許可業種に対応する国家資格のほか、 指定学科卒業後の一定期間の実務経験や、 原則10年以上の実務経験などによって 要件を満たせる場合があります。

資格を持っているだけで判断するのではなく、 その資格が取得予定の建設業種に対応しているかを確認します。

詳しくは、 建設業許可の営業所技術者等とは?資格・実務経験の要件を行政書士が解説 をご覧ください。

STEP5|資格がなければ実務経験を確認する

国家資格を持っていない場合でも、 一般建設業であれば、 許可を受けようとする業種について 一定の実務経験によって営業所技術者等の要件を満たせる場合があります。

代表的なのが10年以上の実務経験です。

ただし、 単に建設会社で10年以上勤務していたというだけではなく、 取得したい業種に対応する建設工事について 必要な実務経験を有していたことを確認する必要があります。

実務経験10年については、 建設業許可の実務経験10年を証明するには?必要書類・証明方法を行政書士が解説 をご覧ください。

資格なしで許可を取得する方法全体については、 資格なしでも建設業許可は取れる?実務経験10年など取得方法を行政書士が解説 で解説しています。

STEP6|500万円の財産要件を確認する

一般建設業の新規許可では、 財産的基礎・金銭的信用についても確認します。

代表的な基準として、 自己資本500万円以上や 500万円以上の資金調達能力などがあります。

工事金額の「500万円」と、 財産的基礎の「500万円」は別の基準です。
工事金額500万円は許可が必要かを判断する基準、 財産要件500万円は一般建設業許可の申請要件です。

財産要件については、 建設業許可の500万円とは?自己資本・残高証明・赤字の場合を行政書士が解説 をご覧ください。

STEP7|営業所の要件を確認する

建設業許可では、 営業所として使用する場所にも実態が必要です。

自宅や賃貸物件であっても、 実際に建設業の営業所として使用できる状態であれば 申請できる場合があります。

一方で、 単に住所だけを置いている場合や、 建設業の営業実態がない場所については注意が必要です。

営業所要件について詳しくは、 建設業許可の営業所要件とは?自宅・賃貸で申請する場合の条件を行政書士が解説 をご覧ください。

STEP8|社会保険等の加入状況を確認する

建設業許可では、 健康保険、厚生年金保険、雇用保険について、 加入義務がある場合に適切な届出を行っていることも重要です。

法人か個人事業主か、 従業員を雇用しているかなどによって、 加入義務の有無が異なります。

そのため、 許可申請前に現在の社会保険等の加入状況を確認します。

STEP9|必要な証明資料を集める

各要件を満たせることが確認できたら、 実際の申請に使用する証明資料を集めます。

建設業許可では、 「経験があります」 「資格があります」 という申告だけではなく、 それぞれを客観的な資料で確認できることが重要です。

例えば、申請内容に応じて次のような資料を確認します。

  • 履歴事項全部証明書
  • 確定申告書
  • 建設業許可関係書類
  • 工事請負契約書
  • 注文書・注文請書
  • 請求書
  • 資格証明書・合格証明書
  • 納税証明書
  • 財務諸表
  • 社会保険等の確認資料
  • 営業所に関する資料
必要書類は全員同じではありません。
どの経験・資格・財産要件を使って申請するかによって、 必要となる証明資料が変わります。

必要書類については、 建設業許可の必要書類 をご覧ください。

STEP10|建設業許可申請書を作成する

証明方法が決まったら、 建設業許可申請書や添付書類を作成します。

新規申請では、 申請者の基本情報だけではなく、 許可業種、営業所、役員等、 営業所技術者等、財務状況など、 多くの事項を申請書類に記載します。

実務経験を使用する場合には、 実務経験証明書なども作成します。

申請書と証明資料の内容に矛盾がないか確認し、 提出できる状態に整えます。

STEP11|札幌市の北海道知事許可は石狩振興局へ申請

札幌市に主たる営業所があり、 北海道内のみに建設業を営む営業所を設ける場合は、 基本的に北海道知事許可です。

北海道知事許可の申請は、 主たる営業所の所在地を管轄する 総合振興局・振興局へ行います。

札幌市の場合は、 石狩振興局が管轄となります。

札幌市内の北海道知事許可
主たる営業所所在地を管轄する石狩振興局へ申請します。

STEP12|申請後は行政庁の審査を受ける

申請書が受付された後、 行政庁による審査が行われます。

審査では、 申請内容や添付資料をもとに、 建設業法上の許可要件を満たしているかが確認されます。

申請書類に不足や確認事項がある場合には、 追加資料の提出や補正を求められることがあります。

申請受付=許可取得ではありません。
受付後に審査が行われ、 許可要件を満たしていることが確認された後に許可となります。

建設業許可は申請してすぐ取得できる?

建設業許可は、 申請したその日に取得できるものではありません。

さらに、申請前にも、 経営経験や実務経験の証明資料を集める時間が必要になることがあります。

特に、 過去の勤務先での経験を使用する場合や、 古い工事関係資料を探す必要がある場合には、 申請準備に時間がかかることがあります。

500万円以上の工事の受注予定がある場合は、 工事が決まってからではなく、早めに許可要件を確認することをおすすめします。

STEP13|許可取得後も手続きが必要

建設業許可は、 一度取得すれば何もしなくてよい制度ではありません。

北海道の案内では、 建設業許可の有効期間は5年間で、 引き続き建設業を営む場合には更新申請が必要です。:contentReference[oaicite:2]{index=2}

また、毎事業年度終了後には 決算変更届を提出する必要があります。 北海道では、毎営業年度経過後4か月以内の届出が案内されています。:contentReference[oaicite:3]{index=3}

商号、役員、営業所などに変更があった場合にも、 内容に応じて変更届が必要です。

許可後の主な手続き 概要
決算変更届 毎事業年度終了後に提出
各種変更届 商号、役員、営業所等に変更があった場合
業種追加 新しい建設業種の許可を追加したい場合
更新申請 5年間の許可期間満了前に申請

更新については、 建設業許可の更新 をご覧ください。

決算変更届については、 建設業許可の決算変更届 で解説しています。

一人親方・個人事業主の場合の流れも基本は同じ

一人親方や個人事業主であっても、 建設業許可の基本的な申請の流れは同じです。

法人でなければ建設業許可を取得できないわけではありません。

個人事業主本人について、 経営経験、営業所技術者等の資格・実務経験、 財産要件、営業所などを確認します。

一人親方の申請について詳しくは、 一人親方でも建設業許可は取れる?札幌の行政書士が取得要件を解説 をご覧ください。

札幌で建設業許可を申請する前に確認したいこと

建設業許可を検討したら、 まず次の内容を整理すると申請方針を立てやすくなります。

  • 法人か個人事業主か
  • 取得したい建設業種
  • 建設業の経営経験
  • 過去の法人役員歴
  • 保有している国家資格
  • 最終学歴・卒業学科
  • これまで行ってきた具体的な工事内容
  • 実務経験の期間
  • 確定申告書や決算書の保存状況
  • 契約書・注文書・請求書等の保存状況
  • 財産状況
  • 営業所として使用する場所
  • 社会保険等の加入状況
最初から申請書を作るのではなく、 「どの要件をどの資料で証明するのか」を決めてから書類を集める方が効率的です。

建設業許可申請の流れについてよくある質問

Q. 最初に何を準備すればいいですか?
まず、取得したい建設業種、経営経験、保有資格、工事経験、財産状況、営業所などを整理します。許可要件を確認してから必要な証明資料を集める方が効率的です。
Q. 申請書を作れば建設業許可は取れますか?
申請書だけではなく、建設業法上の許可要件を満たし、その内容を必要な資料で確認できることが必要です。
Q. 資格がなくても申請できますか?
一般建設業では、取得する業種について一定の実務経験などによって営業所技術者等の要件を満たせる場合があります。
Q. 一人親方でも申請できますか?
はい。個人事業主でも必要な許可要件を満たしていれば建設業許可を申請できます。
Q. 札幌市の場合はどこに申請しますか?
北海道知事許可で主たる営業所が札幌市内にある場合は、石狩振興局が管轄となります。
Q. 許可を取った後も手続きはありますか?
はい。毎事業年度終了後の決算変更届、役員・営業所等に変更があった場合の変更届、5年ごとの更新申請などが必要です。

まとめ|札幌の建設業許可は要件確認から始める

札幌で建設業許可を取得する場合、 最初に行うべきことは申請書の作成ではありません。

まず、 建設業許可が必要な工事か、 どの業種を取得するのか、 常勤役員等・営業所技術者等・財産的基礎・営業所などの要件を 満たせるかを確認します。

そのうえで、 どの経験・資格・資料を使って各要件を証明するかを整理し、 必要書類の収集と申請書作成へ進みます。

札幌市に主たる営業所がある北海道知事許可の場合は、 石狩振興局が申請先となります。

建設業許可申請は「申請書を作る作業」よりも、 申請前の要件確認と証明資料の整理が重要です。

札幌で建設業許可をご検討中の方へ

「何から準備すればいいか分からない」 「自分の経験で許可を取れるのか」 「資格・実務経験のどちらを使えばいいのか」 「必要書類を確認したい」など、 現在の状況を確認したうえで申請方法を整理します。

札幌市で建設業許可をご検討中の方は、 行政書士トリキ法務事務所へご相談ください。