相続による自動車の名義変更|ケース別の必要書類・遺産分割協議書を行政書士が解説
親や配偶者などが亡くなり、 その方が所有していた普通自動車を引き継ぐ場合には、 相続による名義変更(移転登録)が必要になります。
通常の売買による名義変更と違い、 相続では 戸籍・遺産分割協議書など、 相続関係を確認するための書類 が必要になります。
さらに必要書類は、 相続人の人数や遺言の有無、 誰が車を相続するのか、 車の価格が100万円以下かどうかなどによって変わります。
- 相続人が1人 → その方が単独で相続
- 相続人が複数で、そのうち1人が相続 → 遺産分割協議等で取得者を決定
- 相続人が複数で共同相続 → 複数人が新しい所有者になる
この記事では、 相続による普通自動車の名義変更で必要になる書類を、 ケース別に詳しく解説します。
「相続人が複数いる」
「どの戸籍を取ればいいか分からない」
「遺産分割協議書が必要か分からない」
という段階でもご相談いただけます。
車検証と相続関係を確認し、 必要な書類と自動車登録手続きを整理します。
目次
- 1 自動車の所有者が亡くなったらどうなる?
- 2 まず車検証の所有者を確認する
- 3 相続による自動車名義変更は3つのケースに分かれる
- 4 ケース① 相続人が1人の場合の必要書類
- 5 ケース② 相続人が複数で1人が車を相続する場合
- 6 ケース③ 複数の相続人で共同相続する場合
- 7 相続による車の名義変更で戸籍はどこまで必要?
- 8 法定相続情報一覧図は使える?
- 9 100万円以下の車は遺産分割協議書を簡略化できる場合がある
- 10 遺言書がある場合はどうなる?
- 11 遺産分割協議書には車をどう記載する?
- 12 相続による名義変更で車庫証明は必要?
- 13 相続するとナンバープレートも変わる?
- 14 相続による名義変更でも出張封印を利用できる場合がある
- 15 相続による自動車名義変更の流れ
- 16 相続した車を売却する場合
- 17 相続した車を廃車する場合
- 18 相続車の名義変更を放置するとどうなる?
- 19 行政書士に相続車の名義変更を依頼するメリット
- 20 相続による車の名義変更でよくある質問
- 21 関連する自動車手続き
- 22 まとめ|相続人の状況によって車の必要書類は変わる
- 23 札幌で相続した車の名義変更をご依頼の方へ
自動車の所有者が亡くなったらどうなる?
自動車の所有者が亡くなった場合、 その自動車も預貯金や不動産などと同じく 相続財産となります。
そのため、 車を引き続き使用する場合には、 亡くなった方の名義のままにせず、 相続関係を確認して名義変更を行います。
相続人が1人であれば、 その方が単独で相続することになります。
一方、相続人が複数いる場合には、 遺産分割協議などによって 誰がその自動車を取得するのかを決めるのが一般的です。
まず車検証の所有者を確認する
亡くなった方が日常的に使用していた車でも、 その方が車検証上の所有者とは限りません。
ローンで購入した自動車などでは、 販売店やローン会社が所有者となっている場合があります。
まず車検証を確認し、 亡くなった方が登録上の所有者になっているか を確認してください。
相続による自動車名義変更は3つのケースに分かれる
| ケース | 相続方法 | 主なポイント |
|---|---|---|
| 相続人が1人 | 単独相続 | 唯一の相続人であることを戸籍等で確認します。 |
| 相続人が複数で1人が取得 | 遺産分割等 | 遺産分割協議書等によって車を取得する人を確認します。 |
| 相続人が複数で共同相続 | 共同相続 | 複数の相続人が新しい所有者になります。 |
実際には、 相続人が複数いる場合でも、 そのうちの1人が車を取得するケースが多くあります。
ケース① 相続人が1人の場合の必要書類
相続人が1人しかいない場合には、 相続人全員で行う 遺産分割協議はありません。
ただし、 「相続人が1人だから戸籍も不要」 というわけではありません。
その方が唯一の相続人であることを 確認できる書類が必要です。
| 必要書類等 | ポイント |
|---|---|
| 自動車検査証 | 亡くなった方が所有者になっているか確認します。 |
| 戸籍謄本等 | 被相続人の死亡と、申請する方が相続人であることを確認できる戸籍等を準備します。 |
| 新所有者の印鑑証明書 | 原則として発行後3か月以内のものを準備します。 |
| 委任状 | 行政書士等へ代理申請を依頼する場合に使用します。 |
| 車庫証明 | 使用の本拠の位置が変わる場合など、必要となるケースがあります。 |
ただし、相続関係を確認できる戸籍等は必要です。
ケース② 相続人が複数で1人が車を相続する場合
相続人が複数いて、 そのうち1人が自動車を取得する場合には、 誰が車を相続するのかを確認できる書類 が必要になります。
一般的な方法の一つが 遺産分割協議書です。
遺産分割協議によって1人が自動車を取得する場合には、 相続人全員で協議を行い、 誰がその自動車を取得するのかを決定します。
主な必要書類
- 自動車検査証
- 相続関係を確認できる戸籍謄本等
- 遺産分割協議書等
- 新所有者となる相続人の印鑑証明書
- 委任状(代理申請の場合)
- 必要となる場合は車庫証明
後から別の相続人が判明すると、 書類を作り直す必要が生じる可能性があります。
ケース③ 複数の相続人で共同相続する場合
自動車を1人だけが取得するのではなく、 複数の相続人が共同で相続することも可能です。
この場合には、 共同相続する相続人が 新しい所有者となります。
そのため、 共同所有者となる方について 必要な印鑑証明書や委任状等を準備します。
将来自動車を処分する際にも、 複数の所有者が手続きに関係することになります。
相続による車の名義変更で戸籍はどこまで必要?
相続による自動車登録では、 被相続人が亡くなったことと、 誰が相続人なのかを確認する必要があります。
相続人が複数いる場合には、 被相続人と相続人との関係を確認できる 戸籍謄本等を準備します。
現在の戸籍だけでは 必要な相続関係を確認できない場合には、 改製原戸籍など、 複数の戸籍が必要になることがあります。
婚姻・転籍・戸籍の改製などによって、 必要となる戸籍が複数に分かれている場合があります。
法定相続情報一覧図は使える?
法務局が発行する 法定相続情報一覧図の写しを、 相続関係を確認するための資料として 利用できる場合があります。
不動産・預貯金・証券・自動車など、 複数の相続手続きを同時に進める場合には、 法定相続情報一覧図を取得しておくことで 戸籍一式を何度も提出する負担を 軽減できることがあります。
必要となる戸籍は、 相続人の構成によって変わります。
車検証と現在分かっている相続関係を確認し、 自動車登録に必要となる書類を整理します。
100万円以下の車は遺産分割協議書を簡略化できる場合がある
相続する普通自動車の価格が 100万円以下の場合には、 一定の条件を満たすことで、 通常の遺産分割協議書に代えて 遺産分割協議成立申立書 を使用できる場合があります。
この取扱いを利用する場合には、 査定証など、 自動車の価格が100万円以下であることを 確認できる資料が必要になります。
遺産分割協議が成立していることを前提として、 相続による自動車登録で使用する書類を 簡略化できる取扱いです。
遺言書がある場合はどうなる?
亡くなった方が遺言書を残している場合には、 遺言の内容に応じて 遺言書を使用して相続による移転登録を行える場合 があります。
この場合には、 通常の遺産分割協議書を使用するケースとは 必要書類が異なります。
また、 自筆証書遺言などについては、 遺言書の種類や保管方法によって 家庭裁判所の検認が必要となる場合があります。
法務局の自筆証書遺言書保管制度を 利用している場合には、 遺言書情報証明書を使用するケースがあります。
遺産分割協議書には車をどう記載する?
遺産分割協議書で 誰が自動車を取得するのかを決める場合には、 対象となる自動車を特定できるように記載します。
自動車の登録内容は 車検証を確認しながら記載することが重要です。
相続財産に預貯金や不動産などもある場合には、 自動車だけの遺産分割協議書を作成するのか、 他の相続財産とまとめて作成するのかを 相続全体の状況から判断します。
相続による名義変更で車庫証明は必要?
相続による名義変更でも、 新しい使用者の使用の本拠の位置が変わる場合などには、 車庫証明が必要になることがあります。
例えば、 亡くなった方とは別の住所に住む相続人が その車を引き継いで使用する場合には、 新しい保管場所で 車庫証明を取得するケースがあります。
札幌市での車庫証明については、 札幌市の車庫証明|申請代行・必要書類・費用 をご確認ください。
相続するとナンバープレートも変わる?
相続によって名義変更しただけで、 必ずナンバーが変わるわけではありません。
相続後の使用の本拠の位置が変わり、 管轄する運輸支局等が変わる場合には、 ナンバープレートの変更が必要になります。
例えば、 札幌ナンバーの車を相続した方が 室蘭ナンバーの管轄地域で使用する場合などです。
普通自動車では、 新しい後面ナンバープレートに 封印を受ける必要があります。
相続による名義変更でも出張封印を利用できる場合がある
相続による名義変更で ナンバープレートが変更になる場合でも、 対象となる案件では 出張封印を利用できることがあります。
出張封印を利用できれば、 車両を運輸支局等へ持ち込まず、 自宅や駐車場所などで 新しいナンバープレートへの交換・封印を 行える場合があります。
詳しくは、 札幌の出張封印|名義変更・ナンバー変更 をご確認ください。
相続による自動車名義変更の流れ
相続した車を売却する場合
相続した車を中古車販売店や第三者へ売却する場合にも、 亡くなった所有者からの 相続関係を確認したうえで 必要な登録手続きを行います。
必ず一度相続人名義の車検証を発行してからでなければ 売却できないとは限らず、 手続きの内容によっては 複数の移転登録を連件で行う場合があります。
売却・廃車を予定している場合については、 相続した車を売却・廃車する場合の手続き で詳しく解説しています。
相続した車を廃車する場合
相続した車を今後誰も使用しない場合には、 廃車手続きを行うこともできます。
車を残したまま使用を中止するのか、 車を解体するのかによって、 必要な抹消手続きが変わります。
普通自動車の廃車については、 普通自動車の廃車手続き|一時抹消・永久抹消 をご確認ください。
相続車の名義変更を放置するとどうなる?
所有者が亡くなった後、 長期間手続きをせずにいると、 その間に相続関係が変わる可能性があります。
例えば、 手続きをしないまま相続人の1人が亡くなると、 その方についてさらに相続が発生し、 関係する相続人が増えることがあります。
誰が車を取得するのか決まっている場合には、 早めに必要書類を確認することをおすすめします。
行政書士に相続車の名義変更を依頼するメリット
相続による自動車名義変更では、 通常の売買による名義変更とは違い、 自動車登録と相続関係の両方を確認 する必要があります。
特に、
- 相続人が複数いる
- どこまで戸籍を取得すればいいか分からない
- 遺産分割協議書を作成したい
- 100万円以下の簡略手続きを利用できるか確認したい
- 遺言書がある
- 相続後に車庫証明が必要
- ナンバー変更・封印まで必要
といった場合には、 必要書類の判断が複雑になります。
すべての戸籍や書類を揃えてから 相談する必要はありません。
現在分かっている相続関係と 車検証の内容から、 必要となる書類を整理します。
相続による車の名義変更でよくある質問
Q. 相続人が1人でも遺産分割協議書は必要ですか?
Q. 相続人が複数の場合は遺産分割協議書が必要ですか?
Q. 相続人全員の印鑑証明書が必要ですか?
Q. 100万円以下の車なら相続手続きは不要ですか?
Q. 法定相続情報一覧図は使えますか?
Q. 遺言書があれば遺産分割協議書はいりませんか?
Q. 相続でも車庫証明は必要ですか?
Q. 相続するとナンバーも変わりますか?
Q. 相続した車を売却できますか?
Q. 相続した車を廃車できますか?
関連する自動車手続き
まとめ|相続人の状況によって車の必要書類は変わる
亡くなった方名義の普通自動車は 相続財産となるため、 相続関係を確認して名義変更を行います。
必要書類は、 相続人が1人なのか、 複数なのか、 遺言があるのか、 誰が車を取得するのか などによって変わります。
特に相続人が複数いる場合には、 遺産分割協議書等によって 誰が車を取得するのかを確認します。
また、 一定の条件を満たす100万円以下の車では、 遺産分割協議成立申立書を 利用できる場合があります。
まずは 車検証上の所有者と相続人を確認すること から始めると、 必要な手続きを整理しやすくなります。
札幌で相続した車の名義変更をご依頼の方へ
「親名義の車を自分が相続したい」
「相続人が複数いて必要書類が分からない」
「戸籍や遺産分割協議書から確認してほしい」
という場合もご相談ください。
車検証と相続関係を確認し、 必要書類の整理から 相続による自動車登録まで対応します。
必要となる場合には、 車庫証明・ナンバー変更・ 対象案件の出張封印まで 一連の手続きをご相談いただけます。


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